スウェーデン大使館東京都, 日本

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環境

ここにはスウェーデンの環境政策についての質問と答えを掲載します

スウェーデンの人は環境の意識が高いようですが、それはどうしてですか?環境教育はどのように行われていますか?
答え(1):スウェーデンでは「自然享受権」が保障されており、人々が自然と一緒に生きています。1960年代に酸性雨が問題になったときに、水の多いスウェーデンではその大切な水が汚染されました。自国だけでは環境の改善はできないので国際協力が必要になり、1972年に初めて国連人間環境会議が首都のストックホルムで開かれました。2009年に国民向けに、次世代にサステイナブルなスウェーデンを目指すための16の目標環境を掲げたバイブルが発表されて、12年に始動しました。エコシステム、生物多様性、循環型経済、健康、よい消費者であることなどを義務教育で学んでいます。
回答:スウェーデン大使館 アップルヤード和美


スウェーデンではレジ袋は無料ですか?
答え(1):7月1日から日本ではレジ袋が有料となりました。スウェーデンはかなり前から有料でしたが、今年の5月からレジ袋が課税の対象となり1袋が6〜7 クローナ、日本円にすると70円前後になることも。果物をなど入れるビニール袋も3円くらいかかります。これについて現地に住むスウェーデン人はどう思っているのでしょうか?

現地のスウェーデン人に聞いてみたところ、「自然の中に捨てられるのでなるべく使わない方がいい」「値上げしても問題ない」「今までずっと2クローナだったのが、最近は5クローナになって高いと思ったが、できる限りプラスチックを使わないのがいい」と大半が賛成していました。しかしながら「高すぎる!」と値上げ反対の声もありました。中でもユニークな回答は「自主隔離中で数か月スーパーに行けず、そんなに高くなってるなんて知らなかった」と今ならではの回答もありました!またビニールよりも安い紙袋という選択肢もあるようです。

ところで、今大注目のレジ袋。なんと生みの親はスウェーデン人!1960年代にステーン=グスタフ・トゥリーン氏によって発明されました。
回答:スウェーデン大使館 速水望

スウェーデンではプラスチックごみ問題と温暖化問題をどのようにリンクさせて考え、対策をとろうとしているのでしょうか?
答え(1):プラスチックごみ(海洋プラスチック)と温暖化問題は直接リンクしているわけではありません(もちろん原料は石油ですから生産で二酸化炭素の排出はあります)が、どちらもグローバルな問題であり、生態系への脅威であることには違いありません。温暖化はパリ条約により、またプラスチック問題は有害な化学物質で健康や環境を脅かすものとして、UNEAのプロセスを中心に対応しています。2020年以降の化学物質と廃棄物のグローバルな対応のため、2018年にウルグアイと共に「化学物質と廃棄物に関する野心的な同盟(High Ambition Alliance on Chemicals and Waste)」を結成しています。

温暖化によって全ての生物が受けるストレスが増えている今、他の負荷を軽減する努力が必要になっています。大気中の二酸化炭素の3分の一を吸収している海洋は、温暖化によって海水温が上昇し、酸素濃度が低下しています。このような状況にさらに追い打ちをかけるように海洋プラスチックごみ(分解されるのに非常に長い時間がかかる)やIUU(違法・無報告・無規制漁業)による乱獲、富栄養化などの問題が海の生物に大きな脅威となっています。(スウェーデンはマイクロビーズの問題には以前から取り組んでいます。またプラスチックはレジ袋やペットボトルもですが、ゴーストギアといわれる漁具の問題も深刻です。)これらはアジェンダ2030と密接な関連があります。スウェーデンはSDG14に特に注目し、2017年6月世界初の国連海洋会議でフィジーと共同議長を務めました。また二国間協力のページにもあるようなスウェーデンの科学者が発起人となったSeaBOSのイニシアチブなどもあります。
回答:スウェーデン大使館 アップルヤード和美

スウェーデンは最近2年前倒しで最後の石炭火力発電所を閉鎖したそうですが、スウェーデンのエネルギー政策について教えてください
(回答)スウェーデンは化石燃料には乏しい一方豊富な水力資源があります。そのほか原子力による発電や、国土の70%を占める森林を生かして木質燃料のバイオマスによる発電や熱供給も盛んです。

発電では2040年までに100%再生可能エネルギーによる発電を目指しています。2022年に予定していた石炭火力発電の全廃計画を2年前倒しして、2020年の4月に最後の石炭発電所を閉鎖しました。

EU(欧州連合)の政策取り決めによりスウェーデンは2020年までに国内の再エネの比率を49%まで引き上げることが義務付られていますが、2009年の気候変動政策において、独自に目標を50%と設定しています。この目標はすでに2012年には達成し、2018年には総エネルギー使用量での再生可能エネルギーの比率は54.6%となっています。さらに2017年に議決された「気候変動政策の枠組み」では、2045年までに温暖化ガスの排出ネットゼロを目指し、2040年までに再エネルギーによる発電を100%という目標が示されました。しかし、これは2040年以降に原子力を廃止する方針を意味するものではありません。

現在のスウェーデンの発電比率は、水力が42%、原子力(3か所の原子力発電所で6基が稼働)が31%、風力17%、その他。(2022年)
Elproduktion - Ekonomifakta

原子力は政党により政策が異なり、政権交代でたびたび政策の変更がありました。2010年に現在運転中の原子炉の建て替えに限って原子炉の新規建設が法的に可能になりました。2014年の中道左派政権の復権で、将来的に原子力を全廃する方針が発表され、また安全対策の強化などによりコストが増大し事業の採算性が低下、原子炉の廃止を決定する事業者も現れました。しかし2015年に立ち上がった「エネルギー委員会」が2050年を見据えた長期的視点で検討を行い、2016年には政党間の枠組み合意に達しています。その中で2010年の既存発電所の建替えに伴う原子炉建設を認める法律の有効性が確認され、原子炉建設を認める方針が示されています。さらに詳細を知りたい方は以下の英語のウェブページを参照ください。

Energy in Sweden 2019
Energy Use in Sweden
Energy in Sweden – Facts and Figures 2019
IEA Country Review 2019 April
Sweden’s draft integrated national energy and climate plan